太陽工業株式会社さんを見学してきました。
11月5日、今回のプロジェクトに使う資材をいただけるかもしれないということで、
太陽工業株式会社さんの葛葉工場を見学させていただきました。
太陽工業株式会社さんは、東京ドームをはじめとする大きなテントを作っている会社です。
正直なところ、今までドームを覆うテント状のものをだれがどんな風に作っているかなんて考えもしなかったので、聞かせていただいたお話すべてが新鮮でした。
2次元の布状のものが、ドームの屋根として利用され、40年も保っているというお話や
、海での工事で工事場所以外の海域が汚れないようにする膜としても利用されているお話、雨風にさらされてもよごれにくい膜の開発、またリサイクルができるようにするための膜の開発、使用済みテントで作ったカバンの制作場所も見学させていただきました。
またテントとして使用される裁断された膜をくっつけたり、くっつけるためのジャックのようなものを膜につけたりする作業、大きなテント膜を小さな大砲のようなミシンで縫っていく様子も見学しました。
さながら巨人のための洋服工場のようで、見ているだけでわくわくしました。
工場の見学をしながら、いろいろなお話を今回見学をさせていただいた豊田さんから伺いました。
豊田さんは、太陽工業株式会社さんでテントとして使用される膜の素材の研究をされています。
そしてそこでお仕事をされるようになって、上ばかり見て歩くようになったとおっしゃっていたのが印象的でした。
それからいくつかゆずってくださるテント生地を梱包してくださったのですが、
その梱包もダンボールとかではなく布での梱包だったので、とても新鮮でした。
ものの感覚というか、捉え方が、布なんだなと感じました。
テントのあり方というか、テント膜のありかた、考え方というのは、そういうところから生まれているのかなと思いました。
テントの素材は、考え方次第で様々な使い方ができるわけですが、その考え方の柔軟さみたいなものに驚かされました。
強くて、汚れにくくて、何かを隔てたり、守ったり、包んだりできる布。
そして、ものによっては半永久的に残るものもある。紙にリサイクルできるものもある。
テントの膜について、そこまでちゃんと考えたことはなかったですが、
テントの膜にこんなにいろんな意味合いや用途があるのかと思うと、
そういうものづくりそのものも、見方によってはそのままでアートといえるのではないかなあと感じました。
そしてまた、こういう素材のことを知るために、こうして出かけたことが、この素材を使う感性を膨らませてくれるように思いました。
普段あまりいかない工業地域へ行き、太陽工業株式会社さんを見学して、豊田さんがケナフが入っている膜の話をするときの顔がいいなあと思ったり、テント膜を作る人たちの姿を見たり、小さなアトリエでカバンをつくるおばちゃんがミシンをかける様子を見たり話したり、そしてそこから膨らんだこと、驚いたことをフェローの方と話しをしたりする中で、こうして出かけて行き、だれかに出会い、話しをすることが、こういうアートプロジェクトの醍醐味だなあと思いました。
このテント膜がどう使われてどうなるのか、、、、まだわかりませんが、楽しみです。